旦那様、そろそろ離縁のご準備を〜契約結婚三年目、満了日を目前にして旦那様の様子がどこか変です〜

お前に口を出す権利はない


「――ハッ!」

 レイモンドは耳を疑った。
 イシュの口から何の前触れもなく放たれた『契約結婚に関する話』に、驚かずにはいられなかった。

 だがそれは、なぜイシュが契約結婚について知っているのかという疑問ではなかった。レイモンドは、ソフィアとイシュの関係に、薄々勘づいていたからだ。

「それは、挑発か?」

 低く唸るレイモンドに、イシュは目を細める。

「そう取っていただいて構いません。閣下がこの方と今すぐ離縁してくださるならば、僕は喜んであなたの敵となりましょう。流石に首は差し出せませんが、相応の賠償金をお支払いしますよ」
「――!」

(この男……やはり、ソフィアの……)

 腹の奥で怒りが煮えたぎると同時に、イシュについての調査報告書の内容が、レイモンドの脳裏を過ぎる。
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