海姫物語
こうして見上げる空には白や黄色や赤や青様々な星が浮かんでいるけれど、エリクの青い目もまるでその星のひとつのような気がしてくる。
幼馴染の顔をジッと見つめているとその体だけが闇に溶け出して目だけが残って空に飛んでいくんじゃないか、なんて。
「外はこんなに広くてキレイなのに、施設に戻る必要があると思うか?」
その質問に驚いて姫奈が体制を崩してしまった。
仕方なく立ち泳ぎをしながら幼馴染の顔をマジマジと見つめる。
エリクは自分がつぶやいた言葉の重さに気がついていないように空を見つめたままだ。
姫奈は栗色の長い髪の毛を赤いゴムで一つに結ぶと、指先を滑らせて水気を切った。
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