麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜

******




「モモネリア、おはよう」


「.....」



 リードネストが、朝の挨拶をして部屋に入ってくる。
 色とりどりの朝食ののったワゴンを押している。




「.....気分はどうだ?昨日、あのあと夕食を運んだんだが、お前がよく眠っていたから、そこに置いておいたんだ」



 みると、枕元のサイドテーブルに食事がのっていた。
 昨日は目が覚めず、今まで眠っていたから食事はそのまま残されていた。




「....今日は食べられそうかい?....喉が渇いているだろう?水もあるぞ。ほら。....寒くないか?温かいスープだ。お前が、何を好むかわからなかったから色々作らせた。もし、他に食べたいものがあったら何でも言ってくれ。すぐ用意する」



 リードネストはテキパキと世話を焼き、自らコップに水を注いだり、お皿に取り分けたりしている。

 モモネリアは、何も答えず、ただじっとリードネストの姿を見つめていた。

 こんなに良くしてもらって申し訳ないが、食欲がわかない。

 喋る気力もなく、水を一口飲んだだけで終わってしまった。

 そんなモモネリアをみて、リードネストは苦しげに顔を歪めている。


< 14 / 184 >

この作品をシェア

pagetop