麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
リードネストは、その日ずっとモモネリアの側を離れなかった。
漸くお腹がすいたと言い出したモモネリアの好みに何が合うのかわからず、様々なものを料理長に用意させた。
目の前に現れた、今まで見たこともない豪華な料理の数々に、目を瞬かせて、モモネリアは絶句した。
結局、何日も食べていなかったモモネリアが口にできたのは、ほんの数口のスープと果物、そして甘いミルク粥だった。
それでもリードネストは満足そうで、「偉いぞ、モモネリア」とまるで子供でもあやすように優しい口調でまた頭を撫でた。
食べ切れなかった料理は、リードネストから感謝を込めて、使用人たちに宴会のご馳走として振舞われた。
残り物ですまない、と言いながら。