麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜

 ちなみに、私の部屋がうつるのと同時に、リードネストも隣の部屋に荷物を全て移動していた。

 本人曰く、物理的な距離があるのも嫌らしい。

 隣にいれば何かあってもすぐに駆けつけられるし、いつでも私の存在を感じられて嬉しい、と。

 部屋には、私の好みに合わせた可愛らしい家具や装飾を用意してくれて、本当に至れり尽くせりで、申し訳なくなるくらいだ。

 今度、私が好きな本と花をどちらも楽しめるように庭にガゼボをつくって、花を愛でながら外でゆっくり読書をできるように計画してくれている。

 私が「そんなに良くしてもらっても返せない」と言うと、「俺が用意したいだけだからどうか受け取ってほしい」って懇願されて、結局押し切られてしまう。


 それに、実はリードネストは国にとってとても重要な仕事をしているみたいだ。詳しくは知らないが、よく国王からの使者が邸にきている。

 ちなみに、私がここに来てすぐ私専属の侍女もつけてくれた。

 しばらく、私が部屋から出なかったのと他人に心を開かなかったから、私が少し調子を取り戻してから紹介された。
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