麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
リードネストは、私がここに来た日のうちに使用人たちを全員集め、私に誠心誠意尽くすよう通達したらしい。
次期は未定だが、後にここの女主人になるだろう人物だと。
そこに関しては、私の気持ちがまだまだ追いついておらず思わず苦い顔をしてしまったが、リードネストもきちんと理解している。
焦らず、関係を迫らず、私のペースに合わせてくれているのがとてもよくわかるからだ。
むしろ、そんな宙ぶらりんな状態なのに、リードネストにも、使用人にも、とてもよくしてもらって、甘やかしてもらって、なんだか引け目を感じる。(まぁ、攫ってこられた身なので、複雑だが)
すると、リードネストはそれがわかってか、「俺がしたいからしているんだ。引け目を感じることなんてないし、むしろ俺の好意を受け取ってくれて俺は喜んでいるんだ。だから、何か返さないといけないなんて考えずに、素直に甘えてくれたら嬉しい」と言う始末。
私に対してリードネストはどこまでも激甘で、私は自堕落な人間になってしまわないかと密かに危惧している。気を引き締めていこうと思う。