麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
リードネストの両親とは、一度短い時間だが会うことがあった。
リードネストの父が狼獣人で、母は父の番で人間だと事前に聞いていたが、二人の関係もはっきりしていない今はまだ会いたくないと拒んだ。
だが、「経緯も話しているし、モモネリアの気持ちがまだ俺にないことも両親は知っている。ただ、今回のことを両親からも謝罪したいのだと言われた。だから、少しでいいから会ってやってほしい」と頼まれては、断れなかった。
リードネストの両親は、とても優しそうな二人だった。
会ってまず、リードネストのしたことを謝罪され、私の気持ちは強要しないから、好きに過ごしてほしいと言われた。
その上で、リードネストが何故そんな行為に及んでしまったのか、リードネストがいつか説明するはずだから、どうかリードネストを恨まないでやってほしいと伝えられた。
リードネストは、決して自分のことだけであなたにこんなことをしたのではないのだ、と。
それは....何か理由があって私を攫ったということだろうか。
それ以上、教えてはもらえなかったが、なんとなくそう感じた。
私も、はじめこそ警戒したが一ヶ月共に暮らせば、リードネストが私をとても大切に思ってくれていることくらい嫌でもわかる。
こんな人が自分だけの感情で、私を攫うなどありえないことも。
だって.....私だけじゃなくて、使用人たちもこんなに大切に扱っているのだもの。