麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜

 リードネストは、使用人たちにとても温かい。
 私と同じ感覚を持ち合わせているらしく、してもらったことを主人だから当たり前とは思わない。

 きちんと感謝の言葉や労いの言葉をかけているし、使用人に子供が生まれれば、お祝いを渡したり、休みを多くとらせたり。

 主人と使用人の関係を超えて、気さくに何でも話せる関係を築いているように見えるのだ。

 だから、リードネストの両親の言葉に、詳しくわからなくても私は素直に頷いていた。

 余談だが、邸の広さや使用人の数に驚いていたら、家令のカーヴィンが、「旦那様は、この国でも重役を担っておられるので、これくらいは普通ですよ。資産も国中で一、二を争うほどですので、何も心配はございません」とニコニコと話され、腰を抜かしそうになった。

 そして、ここだけでなく地方に別邸や、観光地に別荘なんかもあるらしい。

 なんだか桁違いすぎて想像できなかったので、諦めた。

 まぁ、そんなこんなで。

 攫ってこられたくせに、なんだか馴染んでしまって。
 なんなら居心地がいいなぁ、と感じるモモネリアだ。

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