フィオナの運命
吹き荒れる嵐で窓ガラスがカタカタと揺れ、使用人達が慌ただしく戸締まりに追われている。

フィオナはその隙を見て大階段を駆け下り、裏口の小さな扉から外に出た。

(すごい雨と風)

身体を打ちつける雨粒と強烈な風に思わず目をつぶる。

だが意を決して、門扉に向かって駆け出した。

ちょうど近衛兵が門扉の横の詰所に入り、雨具を着ているところで、今のうちにとフィオナは一気に門扉に近づく。

背伸びをして高い位置にあるかんぬきをなんとか引き抜き、ギギッと少し門を押し進めてから隙間に身を滑らせた。

灯りはなにも持っていない。

雲間から時折射し込む月明かりを頼りに、フィオナはひたすら走った。

ここに馬車で連れて来られた時の道を戻れば、2時間以上かかるだろう。

だが峠を超えれば1時間で着くはず。

フィオナは迷うことなく道を逸れ、小高い峠を駆け上がって行く。

(おばあ様、メル、待っていてね)

ただひたすら、心の中でそう繰り返していた。
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