フィオナの運命
「王太子殿下、おばあ様、ミルクスープをどうぞ」

フィオナはにこやかに笑って、ベッドサイドの小さなテーブルにトレイを置く。

「おばあ様、少し身体を起こせる?」

そう言って、マーサの頭の下にクッションを差し入れた。

「はい、どうぞ。ゆっくり飲んでね」

木のスプーンでスープをすくい、フィオナはそっとマーサの口元に運ぶ。

マーサはスープをひと口飲むと、嬉しそうに笑顔を浮かべた。

「ああ、美味しいねえ。ありがとう、フィオナ」
「ふふっ、どういたしまして。おばあ様はこのスープがお気に入りだものね。まだまだたくさんあるから、あとでおかわりを持ってくるわね」

フィオナはもう一度スープをすくい、マーサの口元にスプーンを運ぶ。

「はい、おばあ様」

だがなにも返事はなく、フィオナは怪訝そうにマーサの顔を覗き込んだ。

「……おばあ様?」

そして悲痛な叫び声を上げる。

「おばあ様!」

マーサは笑顔を浮かべたまま目を閉じていた。
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