フィオナの運命
ここアレクシア王国の王太子であるルシアスは、『呪われた王家』と言われる一族の王子でもあった。
はるか昔のこと。
ルシアスの先祖である国王が、この国を豊かにしようと周囲の国に戦争を仕掛けた。
国王自らが戦地に赴き、先陣を切って剣を振りかざす。
兵士だけでなく多くの国民の命が犠牲となり、周囲の国々は勢力を弱めてアレクシア王国の支配下となった。
国が栄えていくことを喜ぶ国王に、神の遣いと称され不思議な力を授けられた『シャーマン』が尋ねた。
罪のないたくさんの人々の命を奪ったことへの懺悔はあるのか、と。
「王として、我が国の国民を第一に守ったのだ。なにを懺悔することがある?」
そう言葉を返した国王に、シャーマンはある呪いをかけ、国王の右の手首に黒いいばらのアザを刻印した。
「剣を引き抜く度に、あなた様の命の灯火が少しずつ奪われていく。どうしても誰かの命を奪うと仰せなら、この運命を受け入れられよ」
国王は「そんなたわごとに、この私が怯むと思うか?」と鼻であしらい、構わず戦争を続けた。
剣を抜く度に国王のいばらのアザは、身体の中で心臓へと伸びていき、シャーマンの言葉通り、わずか半年後に命を落としたのだった。
その次の王も、そのまた次の王も、同じように戦争を繰り返して短命な人生となる。
シャーマンの呪いは今もまだ受け継がれ、生まれながらにして手首に黒い刻印を持つルシアスの身体をも蝕んでいた。
「剣を引き抜く度に――」
そう。
その呪いは、相手の命を奪わずに峰打ちしたとしても、鞘から剣を引き抜くだけでルシアスの寿命を奪っていった。
はるか昔のこと。
ルシアスの先祖である国王が、この国を豊かにしようと周囲の国に戦争を仕掛けた。
国王自らが戦地に赴き、先陣を切って剣を振りかざす。
兵士だけでなく多くの国民の命が犠牲となり、周囲の国々は勢力を弱めてアレクシア王国の支配下となった。
国が栄えていくことを喜ぶ国王に、神の遣いと称され不思議な力を授けられた『シャーマン』が尋ねた。
罪のないたくさんの人々の命を奪ったことへの懺悔はあるのか、と。
「王として、我が国の国民を第一に守ったのだ。なにを懺悔することがある?」
そう言葉を返した国王に、シャーマンはある呪いをかけ、国王の右の手首に黒いいばらのアザを刻印した。
「剣を引き抜く度に、あなた様の命の灯火が少しずつ奪われていく。どうしても誰かの命を奪うと仰せなら、この運命を受け入れられよ」
国王は「そんなたわごとに、この私が怯むと思うか?」と鼻であしらい、構わず戦争を続けた。
剣を抜く度に国王のいばらのアザは、身体の中で心臓へと伸びていき、シャーマンの言葉通り、わずか半年後に命を落としたのだった。
その次の王も、そのまた次の王も、同じように戦争を繰り返して短命な人生となる。
シャーマンの呪いは今もまだ受け継がれ、生まれながらにして手首に黒い刻印を持つルシアスの身体をも蝕んでいた。
「剣を引き抜く度に――」
そう。
その呪いは、相手の命を奪わずに峰打ちしたとしても、鞘から剣を引き抜くだけでルシアスの寿命を奪っていった。