フィオナの運命
「ルシアス。お前一人を残していく私を、どうか許してくれ」
「父上、なにをおっしゃいますか」

ベッドに横たわったまま、弱々しく話す国王の手を、ルシアスはしっかりと握りしめる。

「運命にあらがい、打ち勝とうとしても叶わなかった。私は大事な息子を守ることさえできなかった、愚かな父親だな」
「いいえ。あなたはこの国の偉大なる王、そして私にとっての最愛の父上でいらっしゃいます」
「ありがとう、ルシアス。お前ともっと、語り合いたかった。お前の成長を、ずっと見守りたかった。お前を、幸せに、したかった……」
「父上……」

スッと力が抜けた父の手を、ルシアスはいつまでも握りしめていた。
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