フィオナの運命
国民の誰もが喪に服し、国王の崩御を悲しむ。

だが喪が明けると、国民はルシアスの王位即位を心から喜んで祝福した。

「ルシアス国王陛下、ばんざい!」
「若くして国王になられたルシアス様のもとで、この国は長く繁栄するだろう」
「王族はルシアス様お一人となられたが、これからお妃様を迎えられ、たくさんのお子さまに恵まれるに違いない」

国中がそんな声で溢れ、伯爵家の令嬢達はこぞって王宮のパーティーを心待ちにする。

諸外国からも、王女との婚姻により同盟を結ばないかと持ちかけられた。

「ルシアス国王陛下。残された時間を考えますと、お世継ぎは急いだ方がよろしいかと」

バギラはそうルシアスに告げる。

「分かっている」

けれどもルシアスは、どうしても前向きに考えられなかった。

妃を迎えたとしても、子どもを授かったとしても、自分はすぐにいなくなる。

自分の手で幸せにしてやれない。

残された妃はどうなる?

そして王家の血を引く子どもには、呪いに苦しむ運命を背負わせてしまう。

「俺は誰一人幸せにはできないんだ。来年の春に一斉に咲き誇る野花を見ることなく、俺の命は雪解けと共に尽きるのだろう」

ルシアスの言葉に、ユーリはグッと唇を噛みしめた。
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