フィオナの運命
ある日の午後。

フィオナはルナの父馬であるアーサーに乗って王宮に来ると、門扉の近くに設置された献花台の上に花を手向けた。

一歩下がって王宮を見上げてから、両手を組んでひざまずき、祈りを捧げる。

喪が明けたあとも、時間を見つけてはフィオナはこうして王宮を訪れていた。

その日も祈りを捧げ、帰ろうと立ち上がった時、ふいに「フィオナ!」と名を呼ばれて振り返る。

「ユーリさん」

門扉の向こうからユーリが声をかけてきた。

「やっぱり君だったんだ。ちょっと待って」

ユーリはかんぬきを抜いて扉を開け、笑顔で近づいて来た。

「もしかして、おとといも来てくれた?」
「あ、はい」
「そうか。君に似た人を見かけて、もしやと気にかけていたんだ。ありがとう、わざわざ花を供えに来てくれて」
「いえ。これくらいしかできませんが、せめてものお詫びにと」
「お詫びって?」

怪訝そうなユーリに、フィオナはどう説明すればいいものかとためらう。

するとユーリが少し考えてから尋ねた。

「フィオナ、時間はある? ちょっと話をさせてもらいたいんだ」

ユーリの真剣な口調に、フィオナは頷く。

「はい、大丈夫です」
「良かった。中へどうぞ」

ユーリが大きく開いた門扉から、フィオナはアーサーの手綱を引いて中に入った。
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