フィオナの運命
「初めまして、バギラ様。わたくしはフィオナ・アーヴィングと申します」
「ほう。そなたがシャーマンの末裔である、生命の巫女か」

その後王宮に呼ばれたバギラと、フィオナは初めて顔を合わせた。

二人の様子を、ルシアスとユーリが見守る。

「水晶に映し出された時はごく普通の娘に見えたが、こうして会ってみると不思議な感覚になる。そなたの祖先と我が祖先は、同じ血筋を分けたと言われているからな」
「そうなのですか?」
「いにしえまで遡ればな。授かった力は違えど、神の遣いとして人間界に生を受けた者同士だから」

そこまで言うと、バギラは、ん?と首をひねった。

「そなた、なにか持っておるか?」

え?と、フィオナは自分の姿を見下ろす。

「あ、これでしょうか?」

そう言って、ブラウスの中にしまっていた水晶の首飾りを取り出した。

「おお、それはもしや……」

まじまじとフィオナの首飾りを見つめると、バギラも袖の中から布に包んだ水晶を取り出す。

すると二人の水晶が共鳴するように、ほのかに青く輝いた。

「なんと!」

バギラは、信じられないとばかりに目を見開く。

「間違いない。そなたの水晶と私の水晶は、同じところで掘り出されたもの。神の御許で眠っていた水晶だ」
「神の御許、ですか?」
「ああ。ここアレクシア王国のはるか北、隣国にまたがる聖なる山のことだよ」
「聖なる山……。そこに神様が眠っていらっしゃるのですか?」
「古き言い伝えではな。だが、誰もその山に登ることはできない。森に迷い込んだように、道がふさがっているそうだ」

フィオナはうつむいて考えを巡らせると、バギラに核心を突く質問をした。
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