フィオナの運命
バギラは、先祖代々受け継がれてきた預言の水晶に両手をかざし、シャーマンを映し出せと念じる。

だが何度やっても、水晶はおぼろげに光を発するだけだった。

「水晶が反応しないのは、おそらく娘がシャーマンの力を使っていないからでしょう。敢えて封じているのか、それとも己の力に気づいていないのか……」

そう報告するバギラに、国王は語気を強める。

「なんとしてでも探し出すのだ! 事は一刻を争うのだぞ」

日に日に身体が弱っていく国王は、その頃には目が見えなくなっていた。

「私の亡きあと、王族はルシアスしか残されていない。せめてルシアスにかけられた呪いだけは、解かねばならぬ」
「御意」

バギラは来る日も来る日も水晶に念じる。

そして遂にある日、水晶がパッと輝き、鮮明にその光景を映し出した。

「この娘が、シャーマンの末裔。神から、命を操る力を授けられた『生命の巫女』が、今まさにその力を使っている」

そこには、ケガを負った子ヤギの前脚を手当てする村娘の姿が映っていた。
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