フィオナの運命
アーサーから降りると、フィオナは両手で水晶を握りしめる。

「聖なる神よ。どうかお導きください」

目を閉じて、心の中で静かに祈り続けた。

(私は必ずルシアス様の呪いを解いてみせます。どうか、私に力を)

すると水晶は、バギラの水晶と共鳴した時と同じように、青くほのかな光をまとう。

フィオナがそっと目を開けると、水晶はまるで一点を射すように、一筋の光となって伸びていく。

(道を示してくれている)

そう感じて光の先を目で追ったフィオナは、高い木の枝になにかがうごめくのを感じて、ハッと目を見開いた。

ぼろ布を全身にまとった男が、目だけをギラリとさせてフィオナを見下ろしている。

(山賊!?)

身をすくめた時、男が木の枝を蹴り、ナイフを振りかざしながらフィオナに飛びかかった。

フィオナはその場に立ちすくんだまま動けない。

すると横からルシアスが飛びついて、フィオナを自分の背中の後ろにかくまった。

「動くな!」

ルシアスが山賊を睨みつけるが、山賊はユラリと不気味な動きで近づいて来る。

「それ以上近づいてみろ」

そう言ってルシアスは、腰に携えた剣に手をやった。

山賊がナイフを握り直し、一気に飛びかかって来る。

ルシアスが剣を引き抜こうとした時だった。

「だめ!」

フィオナがルシアスの前に身を翻し、剣を握るルシアスの手を両手で押さえると、かばうように山賊に背を向ける。

ヒュッとナイフが空を切る音がして、フィオナはギュッと目を閉じた。
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