フィオナの運命
「フィオナ、フィオナ!」

胸に抱きしめて、ルシアスは懸命にフィオナの名を呼ぶ。

「なぜこんなことを……。そなたの命をもらって、俺が喜ぶはずはない」

両腕でフィオナをかき抱き、込み上げる涙を必死に堪えた。

「聖なる山の神よ、そなたの巫女を救いたまえ。優しさに溢れた清き心の巫女を、そなたは見放すというのか? 奪うなら我が命を奪うがいい」

グッと顔を上げて山頂を見据えた時だった。

フィオナの胸元の水晶が再び青く輝き、スーッと光の矢のように、山の頂きに向かって伸びていく。

「……導いているのか?」

ルシアスは光の先に目を向けると、フィオナを抱いて立ち上がる。

歩き出すと、カイルが寄って来て地面に伏せた。

「ありがとう、カイル」

ルシアスはフィオナを抱えたまま、カイルに跨る。

ゆっくりと立ち上がったカイルは、光が射す方へと歩き始めた。
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