フィオナの運命
「ルシアス様? フィオナ様!?」

耳元で聞こえる声がだんだん大きくなり、ルシアスとフィオナは同時に目を開いた。

互いに見つめ合うと、顔を上げる。

「……ルシアス様? フィオナ……様?」

涙で顔をクシャクシャにしたローラとユーリが、驚きのあまり固まっていた。

「心配かけたな、二人とも」

身体を起こしてそう言うルシアスに、ユーリとローラは飛び上がらんばかりに手を取り合った。

「ルシアス様! ご無事ですか?」
「ああ。俺もフィオナも、元気だ」
「良かった……。ルシアス様も、フィオナ様も、本当に良かった」

二人はヘナヘナと座り込む。

「心配かけてごめんなさい。大丈夫? ローラ」

立ち上がって手を差し出すフィオナに、ローラはブンブン首を振る。

「あの、腰が抜けてしまって。しばらくは立てません」
「まあ、大変」

するとルシアスがベッドを降りた。

「ローラ、代わりにここで休むか?」
「めっっっそうもございません!」

更に激しく首を振るローラの傍らで、ユーリも同じように座り込んだままだ。

「なんだか俺達の方が元気だな、フィオナ」
「ええ、本当に」

ふふっと笑ってから、フィオナはルシアスの右手首に目をやった。

「ルシアス様、刻印がなくなっています」
「本当だ」

左手で右手首に触れてから、ルシアスはしみじみと口を開く。

「俺の命は俺一人のものではない。再び分け与えてもらったこの命にかけて、俺は必ずフィオナと国民を守り抜くと誓う」

決意に満ちたルシアスの瞳に、フィオナも涙を堪えて頷いた。
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