フィオナの運命
神にもっとも愛された一族
ジャイラ共和国へと向かう日がやってきた。
「失礼いたします。ルシアス様、フィオナ様のお支度が整いましたわ」
ローラに言われて顔を上げたルシアスは、広間に入って来たフィオナの姿に思わず息を呑んだ。
鮮やかなロイヤルブルーのドレスに身を包み、髪を結い上げたフィオナは大人っぽく、煌めくティアラとイヤリングがフィオナの美しさを華やかに彩っている。
「フィオナ……」
ルシアスが呟くと、おずおずと視線を上げたフィオナも、驚いたように目を見開いた。
「ルシアス様、素敵……」
ルシアスは、同じくロイヤルブルーの軍服に身を包み、髪も後ろに流してすっきりと整えていた。
黄金の肩章と飾りボタン、そして斜めにかけたサッシュが、格式の高さを表している。
互いの姿に見惚れるルシアスとフィオナを、ユーリとローラがにこにこと見守った。
ようやくハッと我に返ったルシアスが、大きな歩幅でフィオナに近づき、左肘を差し出す。
「行こうか、フィオナ」
「はい、ルシアス様」
フィオナを腕に掴まらせて、ルシアスは堂々と歩き出す。
王宮の扉から外に出ると、豪華に飾られた大きな馬車が控えていた。
ルシアスはフィオナの腕を支えて馬車に乗せると、反対側に回って身軽に乗り込む。
ローラとユーリも、荷物を載せたもう一台の馬車に乗り込んだ。
「行っていらっしゃいませ」
「どうぞお気をつけて」
ズラリと並ぶ侍女や執事達に見送られ、ゆっくりと馬車が動き出した。
大きな門扉を出ると、沿道を埋め尽くしていた人々から「わあっ!」と歓声が上がる。
「ルシアス国王陛下!」
「フィオナ様!」
興奮気味に手を振る人達に、フィオナも微笑んで会釈し、手を振り返した。
「きゃー、フィオナ様! なんてお美しい」
「素敵! こっちを見てくださったわ」
黄色い悲鳴のような声がして、ルシアスは苦笑いする。
「皆、フィオナに釘付けだな。誰も俺のことは眼中にないらしい」
「えっ、まさか。そんなことはありません」
「いいや、ある。俺、誰の視線も感じないからな」
「そんな……。ルシアス様は国王陛下であらせられますから、気安く視線を合わせられないだけですわ。その点わたくしは、単なる村娘ですから」
フィオナがそこまで言うと、ルシアスはいきなりフィオナの肩をグイッと抱き寄せた。
「え、あの?」
戸惑うフィオナに、ルシアスはグッと顔を近づける。
「フィオナ。それ以上俺が選んだ女をないがしろにしてみろ。お仕置きだぞ?」
そう言うと、ルシアスはフィオナの頬に熱く口づけた。
「きゃー!!」
沿道から割れんばかりの興奮した悲鳴が聞こえる中、フィオナは顔を真っ赤にしたまま固まった。
「失礼いたします。ルシアス様、フィオナ様のお支度が整いましたわ」
ローラに言われて顔を上げたルシアスは、広間に入って来たフィオナの姿に思わず息を呑んだ。
鮮やかなロイヤルブルーのドレスに身を包み、髪を結い上げたフィオナは大人っぽく、煌めくティアラとイヤリングがフィオナの美しさを華やかに彩っている。
「フィオナ……」
ルシアスが呟くと、おずおずと視線を上げたフィオナも、驚いたように目を見開いた。
「ルシアス様、素敵……」
ルシアスは、同じくロイヤルブルーの軍服に身を包み、髪も後ろに流してすっきりと整えていた。
黄金の肩章と飾りボタン、そして斜めにかけたサッシュが、格式の高さを表している。
互いの姿に見惚れるルシアスとフィオナを、ユーリとローラがにこにこと見守った。
ようやくハッと我に返ったルシアスが、大きな歩幅でフィオナに近づき、左肘を差し出す。
「行こうか、フィオナ」
「はい、ルシアス様」
フィオナを腕に掴まらせて、ルシアスは堂々と歩き出す。
王宮の扉から外に出ると、豪華に飾られた大きな馬車が控えていた。
ルシアスはフィオナの腕を支えて馬車に乗せると、反対側に回って身軽に乗り込む。
ローラとユーリも、荷物を載せたもう一台の馬車に乗り込んだ。
「行っていらっしゃいませ」
「どうぞお気をつけて」
ズラリと並ぶ侍女や執事達に見送られ、ゆっくりと馬車が動き出した。
大きな門扉を出ると、沿道を埋め尽くしていた人々から「わあっ!」と歓声が上がる。
「ルシアス国王陛下!」
「フィオナ様!」
興奮気味に手を振る人達に、フィオナも微笑んで会釈し、手を振り返した。
「きゃー、フィオナ様! なんてお美しい」
「素敵! こっちを見てくださったわ」
黄色い悲鳴のような声がして、ルシアスは苦笑いする。
「皆、フィオナに釘付けだな。誰も俺のことは眼中にないらしい」
「えっ、まさか。そんなことはありません」
「いいや、ある。俺、誰の視線も感じないからな」
「そんな……。ルシアス様は国王陛下であらせられますから、気安く視線を合わせられないだけですわ。その点わたくしは、単なる村娘ですから」
フィオナがそこまで言うと、ルシアスはいきなりフィオナの肩をグイッと抱き寄せた。
「え、あの?」
戸惑うフィオナに、ルシアスはグッと顔を近づける。
「フィオナ。それ以上俺が選んだ女をないがしろにしてみろ。お仕置きだぞ?」
そう言うと、ルシアスはフィオナの頬に熱く口づけた。
「きゃー!!」
沿道から割れんばかりの興奮した悲鳴が聞こえる中、フィオナは顔を真っ赤にしたまま固まった。