喫茶店の常連客に求婚されました!【店ごと買い取るってどういう事ですか?】
新年
旅行から帰ってからは日常生活に戻り、『夢乃』で働く悠乃がいた。
名刺に書いてあった通り、あれから立木さんは店に来ることはなくて今年は会えることは出来なかった。
ホテルマンなら繁忙期だし仕方ないよね。
新しい年になり、『夢乃』はお正月の三が日をお休みにして4日からの営業開始となった。
朝から常連客様達が新年の挨拶をしに訪れてくれる。
悠乃のお正月は伯父さんの家で伯父さんの2人の息子が帰ってきてまったりとしたお正月を過ごした。
伯父さんの2人の息子は都内のマンションでそれぞれ一人暮らしをしている。
小さい時から仲はよくて、悠乃の両親が亡くなった後も一緒に住もうと言ってくれてお兄ちゃんみたいな存在
伯父さんは息子達に店の継続が出来なくなるかもしれないと名義人が変わった事を話したが、まだ何も連絡がないならギリギリまで頑張ったらいいよと言われていた。
続けたいなら他の場所でも営業してもそれは仕方ないと思う。
悠乃も同じ考えだった。
悠乃のお父さんもきっとそう思ってると思うよと伯父さんには伝えた。
夕方に店のドアが開くと立木さんが入ってきた。
「おめでとうございます、今年もよろしくお願い致します」
立木さんは綺麗な姿勢で頭を下げた。
「おめでとうございます、今年もよろしくお願いします(笑)」
悠乃もペコリと頭を下げた。
今日は何回新年の挨拶をしたのだろう…
きっと時間的に今日の最後の挨拶の気がする。
いつもの席に座りメニューを広げる。
悠乃はお水を持っていきテーブルに置いた。
「お久しぶりです」
悠乃から声をかけるとメニューから目を離した。
「ずっと仕事で明日から正月休みです」
「繁忙期ですもんね(笑)」
「はい、オムライスセットをお願いします」
「お待ちください」
ふふっ、卵好きの立木さんだもんね。
奥に行くとオムライスお願いしますと伯父さんに声をかけた。