喫茶店の常連客に求婚されました!【店ごと買い取るってどういう事ですか?】
「…伯父さん…お店閉めなくちゃいけないの?」
悠乃は心配そうに尋ねた。
「…大野さんとは友達でね、この店は安く貸してくれてたんだよ…そうか、亡くなったのか、早すぎるな…」
伯父さんはそう言うと奥に引っ込んでしまった。
友人の死を聞いて伯父さんは店舗の事よりショックだったようだ。
この店がなくなる!?
テーブル席でカレーを食べていたスーツ姿の男性はさっきの会話を聞いていた。
それは非常に困る…
この喫茶店の料理と彼女の笑顔が見れなくなるかもしれないのか…
その常連客はスマホを出して操作すると残りのカツカレーを食べ始めた。
そしてカレーを食べ終えるとカウンター横のレジへ向かった。
カウンターにいた悠乃は立ち上がったのを見て、レジに立っていた。
「カツカレー1つで1500円です」
ニコッといつも笑ってくれる。
もちろん接客業でブスっとしているのは流石にないが、彼女の笑顔にいつも元気をもらっているんだ。
2000円を出し、500円のお釣りをいつも両手を添えて手の中にゆっくり置いてくれる。
だからいつもお釣りをもらえるように小銭を使わずにお札で出す。
「ありがとうございましたー!」
いつもなら
「ご馳走様でした」と言って店を出るのだが…
思わず話しかけてしまった。
「この喫茶店ごと君を買い取らせて下さい!」
彼女は大きな目をクリクリとさせている。
「か、か、買い取るって…悠乃(ゆの)は物件じゃありません!!」
「す、すみません!」
すぐに謝罪をした。
しまった、いつも笑顔の君を怒らせてしまった……
90度の角度で謝っていると
「悠乃、どうした、大きな声を出して」
奥からマスターが出てきた。
「あのね、悠乃の事を店ごと買い取るって言ったぁ〜」
「どういう事だ?」
「失礼しました、言葉選びを間違えたようで…」