喫茶店の常連客に求婚されました!【店ごと買い取るってどういう事ですか?】
常連客はスーツから名刺を取り出しマスターに渡した。
「先程の話が聞こえてしまって、少々焦ってしまいました、私こういう者です」
名刺には立木グループ
取締役 立木克哉(たちぎかつや)
と書かれてあった。
「私も突然の話を耳にしましたので動揺いたしまして…彼女に失礼な事を言ってしまいました、申し訳ありません」
「立木グループ?」
マスターは知らないようで尋ねてきた。
「はい、幅広く事業をしております、この喫茶店が無くなるのは私としても残念な事で…それなら立木グループが買い取ろうと咄嗟に考えました」
「苗字が立木さんと言うことは…」
「今の立木グループの代表取締役は私の父親です」
「じゃあ後継者?」
「ではないです、私は三男なのです…立木グループの人間ですが長男が跡を継ぐので」
「それでも、君若いだろ?それで取締役なんて…」
「まだまだ勉強中の身です」
恐縮ですという感じで少し頭を下げた。
「この店を買い取るって事は買収と言うことか?」
「それは今の時点では答えかねますが悪いようにはいたしません…だってこの喫茶店ごと彼女を守りたいわけですから」
「えっ!!悠乃を?」
悠乃は驚くと立木は少し照れた。
立木はスマホが震えたのか、ポケットから出して見ると
「すみません、気を悪くさせてしまいましたね、これから仕事なので今日は失礼します、また来ますので…」
と言って店から出て行った。
「とりあえず悠乃、片付けようか」
「はい」
さっきまで座っていたテーブル席の食器を下げ、奥で洗い物と次の日の仕込みをする2人。
いつもは話しながらするのに今日起こった事が突然で2人とも黙ったまま仕事を片付けた。
伯父さんは買い出しに行ってくると車で出ていき、悠乃は店の掃除をしていた。