喫茶店の常連客に求婚されました!【店ごと買い取るってどういう事ですか?】
悠乃も立木さんと一緒に後部座席に乗った。
「出発してください」と立木さんが言うと運転手さんは「はい」と返事をして車を発進させた。
「お店は予約したのでそこで構わないですか?」
「あ、はい…」
「この前ワインを飲まれてたのでフランス料理にしたのですが…」
「あ、ありがとうございます」
30分ほど走るとお店に到着したようで、悠乃は運転手さんにお礼を言った。
「ありがとう」と立木さんもお礼を言うと頭を下げて車は去っていった。
「悠乃、こんな格好でいいんですか?」
「はい、ここはカジュアルなフランス料理店で、個室にしてますのでお気づかいなく」
個室に通されるとワインを立木さんが選んで乾杯をすることに…
「お仕事お疲れ様でした」
「ありがとうございます」
チンと乾杯をして、ワインを口に含んだ。
「…美味しいです」
「悠乃さん、元気がありませんね」
「まあ…」
「無理もありません、ただの常連客の私が『夢乃』の存続に関わるなどと勝手な事をしたのですから…何でも聞いてください」
立木さんはワイングラスを置いた。
「立木さんは『夢乃』をなくしたくないからの行動ですよね?」
「もちろんです、しかしあの土地は高いんです、もし立木グループに入るのが嫌なら『夢乃』を移転するしかないです」
「移転…」
「もちろん『夢乃』の料理は美味しいですから移転しても客は入るとは思いますが…」
「今来てくれている人は遠くなる…ですね」
「そうですね」
料理が運ばれてきた。
「食べましょうか」
「はい、いただきます…恥ずかしながら、マナーとかわからないんですけど」
「外側のカトラリーから使えば大丈夫です」
「ありがとうございます」
前菜を口に入れた悠乃は
「美味しい!」
「ですね(笑)」
悠乃は立木を見た。
「立木さん、笑ってますよ」
「美味しいので(笑)」
「見ちゃった(笑)」
「見られました」
「ふふっ、美味しいと自然に笑顔になりますよね」
「はい」
食事がメイン料理に進む前に立木さんは話し始めた。