喫茶店の常連客に求婚されました!【店ごと買い取るってどういう事ですか?】
「さっきはマスターには言えなかったんですが…もう1つ『夢乃』を残す方法があります」
「えっ?」
立木さんは深呼吸をしていた。
「私と結婚しませんか?」
「はい!?あっ、すみません、変な声が出ちゃいました」
悠乃は慌てて口を抑えた。
「あの家を自宅兼店舗にすることです」
「自宅兼店舗?」
「はい、元々平屋で住居だった家なので奥に部屋があるのでは?」
「あります」
「テナント料もかからないし通勤時間もかからない、条件はありますが事業用ローンと住宅ローンと1本化できると私でもローンの審査が通るかもしれません」
「あの、立木さんはお幾つですか?お互いの事全然知らないですよね」
「来月で27になります」
「悠乃は24です」
「知ってます(笑)」
「夏に常連客さんにお祝いされてましたよね」
「あ、はい」
「テーブル席から耳だけすましていました(笑)」
「なるほど(笑)」
「のちのち悠乃さんが後継者になるのならそれでもいいのではと思ったんですが、それではマスターが今まで頑張ってきたことが崩れそうで…それに悠乃さんの気持ちもある事なのですぐにお誘いしたという訳です」
「…そうですよね…伯父さんは元々公務員だったんです、そこで伯母さんと出会い結婚しました」
「なるほど、安定な収入を重んじる方だったのですね」
「はい、両親が亡くなりそのまま閉める予定でしたが今の常連客さんの要望に伯父さんは答えてくれたんです、だから伯父さんは移転は考えてないと思います」
メイン料理が運ばれてきた。
「食べましょう」
「はい」