喫茶店の常連客に求婚されました!【店ごと買い取るってどういう事ですか?】
何でこの前聞かなかったんだろう…
「今聞けば?次に会う約束しちゃいなよ」
「悠乃が?」
「悠乃がだよ、どうした?悠乃らしくないじゃん」
「うーん…悩んでる…」
「悩んでるなら何で相談しないのよ」
「スケールがでかいんだよ」
「じゃあ、私買ってくるから待っててよ」
「はーい」
悠乃はデパートのチョコ売り場の近くにある椅子に座っていた。
ぼーっと周りを見ていると立木さんを見つけたのだ。
「えっ?何で?」
コート姿の立木さんを見つけると悠乃は立ち上がっていた。
小走りでエスカレーターに乗る手前でコートを思わずつかんでいたのだ。
「悠乃さん、どうしてここに?」
「悠乃もそっくりお返しします」
「ちょっと先に行っててくれないか」
立木さんは悠乃を背にして話していた。
悠乃は見えていなかった…立木さんの向こう側に綺麗な女性が立っていたのを…
その女性は悠乃に頭を下げるとエスカレーターに乗り、上がっていった。
「ご、ごめんなさい、連れの方がいたのに声をかけてしまって」
「構わないですよ、私が悠乃さんを見つけても同じ事をしたはずだから」
「えーっと……」
「ん?」
悠乃は言葉が出なかった。
あの人は誰?
今日は来なかったから仕事?
それとも…彼女?
「悠乃さん?」
ポンポンと背中を軽く叩かれた。
「あの…あの…あっ、友達と来ていて、探してるかも知れないから行かなきゃ」
「悠乃さんの友達?紹介してくれるのかな?あまり時間は取れないけど」
「あ、お仕事?」
「はい、今の人は私の秘書です」
「ひ、秘書の方ですか?」
悠乃は息を軽く吐いた。
「もしかして何か勘違いしちゃったかな?」
「…は…い、とても綺麗な人で…悠乃なんかちんちくりんで」
「悠乃さん、私は悠乃さんに一目惚れしたって話しましたよね」
悠乃は頷いた。
「信じてください(笑)今の人は既婚者で一児のママです」
「へっ?」