喫茶店の常連客に求婚されました!【店ごと買い取るってどういう事ですか?】
サプライズ

8月になっていた。

「悠乃さん、埼玉で雲母ホテルのプレオープンがあるんだけど来ないか?」

『夢乃』で食事をしていた克くんがパンフレットを渡してくれた。

9月1日にオープン予定らしい

今日は克くんは仕事はお休みで荷物を少しずつ運んでいる。

このホテルが出来るということでとても克くんは忙しかったのだ。

「いつ?」

「8月17日」

「えっ、悠乃の誕生日?」

「たまたまそうなんだよ、当日に泊まりたいんだけど」

「伯父さんに聞いてくる〜」

しばらくすると

「OKだって、やったー、久しぶりのお出かけだね」

「寂しかった?」

「当たり前じゃーん(笑)」

食事を終えると克くんは車で家に戻り、また荷物を持ってくるそうだ。

「悠乃は荷物は運ばないのかい?」

「うーん…少しずつダンボールにはまとめてはいるんだけどね、免許をとってからにしようかなと思ってて…」

「克哉くんが運んでくれるだろう」

「そうだけど、何でも頼るのは違うでしょ、自分で出来る事はしないといつ頼る人がいなくなるかわからないんだから…」

「悠乃……」

そう、まだ中学生で独りぼっちになった悠乃は何も出来なかった。

伯父さんが引き取ってくれなかったら施設に行っていたかもしれないし、それは今まで娘と思って育ててくれた伯父さんと伯母さんにはとても感謝している。

「悠乃?」

「ん?」

「もしかして免許がとれたら車は…」

「え?伯父さんの車だよ、えへっ」

「頼むからぶつけないでおくれよー」

「わからないけど(笑)慣れて悠乃でも買い出しに行けるように…伯父さんが
しんどい時は悠乃が頑張るんだ〜」

「はぁ、車が心配だ…」

「まあまあ、これから買い出しにもついて行くから道も教えてね!」
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