喫茶店の常連客に求婚されました!【店ごと買い取るってどういう事ですか?】
偶然
12月24日のクリスマスイブの早朝に悠乃は羽田空港にいた。
「来ない…グスッ…ひどい…」
付き合って1年記念でクリスマスを過ごそうと和歌山への旅行を計画していた悠乃
彼氏も休みが取れたと言っていたから悠乃が全部予約をして色々調べた旅行だったのに昨日喧嘩をしてしまった。
喧嘩というよりは前日になって行けないかもと彼氏が電話で言ってきたのだ。
仕事は休みが取れたからと聞いたから伯父さんにも休みをもらい予約をしたのに理由を聞くと実家に帰ると言われた。
彼氏は関東圏でたまに土日で実家に帰ることはちょくちょくあったが問い詰めると彼女と別れてなかったのだ。
彼氏はなんとなく濁して話し合ってくると言い電話を切った。
腹が立ったが話し合って悠乃に戻ればいいやと思ったのでわかったと返事をしてしまった。
元々争い事を好まない性格の悠乃だ。
特に喧嘩もなく付き合ってきたから二股かけられていたとは全然気づかなくて
わがままを言うとその人が去っていきそうで…
とりあえず空港で待っていたがどうしても行ってみたいお店があって空港内をウロウロした。
「ここだ」
前から気になっていた卵の美味しい定食屋さんに入った。
早朝なのに結構みんな朝ごはんを食べるために人が入っていた。
1人でカウンターに座り、大好物の卵かけご飯を注文した。
「んっ、美味しい…」
『夢乃』でも高級卵を使いたいが、そうすると値段がどうしても上がってしまうため使えない。
贅沢な朝ごはんだなぁ、幸せ…
さっきまでメソメソしていたのに美味しい物を食べると機嫌がなおってしまう単純な悠乃だった。
空席だった右隣の席にスーツケースが見えて誰か座るような気配を感じた。
注文をしている声に聞き覚えがあり、隣を見るといつものスーツ姿の立木さんだった。
「立木さん?」
悠乃の声にびっくりしたようで
「あっ、おはようございます」といつもの挨拶が返ってきた。
「おはようございます、お店以外で会うのは初めてですよね」
「はい」