喫茶店の常連客に求婚されました!【店ごと買い取るってどういう事ですか?】
ガチャ
「寝てるのか…良かった、ありがとう、助かった」
スマホに電話しても出ないし部屋のインターフォンを押してもでない。
全く、心配するだろう。
沢山泣いたから疲れたのか?
今日の結婚式はうまく悠乃さんに気づかれなくて良かった。
どうしてもまだ俺に遠慮をして自分の気持ちを言ってくれない。
兄貴の結婚式の時、まだ自分は家族じゃないからと最初は出席を断っていたが、兄貴が『夢乃』に来て説得して出席してくれたらしい。
楽しそうだったが一瞬寂しそうな顔も見せた。
俺はまだ元彼以上にはならないんだろうか……
時々考えるんだ。
悠乃さんは彼氏との付き合って1周年記念で旅行の計画を自分で立て、お金も自分で出した。
それって本当に好きじゃないと出来ない事で、俺がやっている事は悠乃さんを苦しめているんだろうか…
仕事、仕事って言っている俺をいつも大丈夫って言ってくれるけど本音だろうか。
元カノはいつも約束を仕事でキャンセルすると怒っていた、本当は怒りたいのを我慢してるんじゃないんだろうか。
「悠乃さん」
克哉は悠乃の頭を撫でた。
「ふっ、可愛い…気持ちよさそうだし寝かしておくか」
克哉もシャワーを浴びてさっぱりすると悠乃を起こさないようにゆっくりベッドに上がり、スマホで本を読み始めた。
悠乃が寝返りをうち、手が克哉の太ももに触れると克哉は悠乃の手を軽く握った。
「うーん…」
「ごめん、起こした?」
悠乃はゆっくり目を開けた。
「克くん」
「うん、そろそろ夕食の時間だけど起きれる?」
「夕食?さっきお昼をみんなで食べたじゃない」
「もう19時なんだけど?」
グゥ〜
「あっ、お腹鳴った」
「悠乃さんは腹時計の方が正確そうだね(笑)」
雲母ホテルは個室にはしてくれるが料理を提供するスムーズさを出すために食事をする部屋があるのだ。
「ご飯食べる」
「ん、じゃあ行こうか」
克哉はルームキーを持ち悠乃と部屋を出た。