喫茶店の常連客に求婚されました!【店ごと買い取るってどういう事ですか?】
立ち止まる
「いただきます」
本日のお品書きがテーブルに置かれてあった。
「ん、克くん、カルパッチョ美味しいよ」
「美味い」
2人はメニューをじっと見ていた。
「悠乃さん飲み物どうする?水で乾杯しちゃったけど」
「うーんメニューからしてビール!」
「だな、途中で日本酒もありだけど」
「うん、いいね」
隣の部屋からも話し声が微かに聞こえる。
「今日は何組くらい泊まってるの?」
「20組くらいかな」
「プールを見に行ったのね、子供が転んじゃって、でも泣かないって(笑)めっちゃ可愛かったんだ〜」
「男の子?」
「うん、もうすぐお兄ちゃんになるからって…悠乃一人っ子だったから羨ましかったなぁ」
「いたらいたで喧嘩するよ?」
「うん、でも子供見てたら欲しくなっちゃった(笑)」
「悠乃さんは何人くらい子供は欲しい?」
「うーん、産めるなら何人でも欲しい(笑)小さい頃は一人っ子も快適だと思っていたけど両親いなくなると欲しかったなぁ」
「こればっかりは運命だからな、授かるのが難しい夫婦もいるし、産んでも虐待とか嫌だし」
悠乃も頷いた。
ビールが届いて乾杯をした。
「ぷふぁ〜夏はやっぱりビールだね」
「あっ、ちょっと待って…悠乃さんが酔わないうちに…」
克哉はセカンドバックを持っていて、そこから1枚の紙を出した。
「どう?これ可愛くない?」
「え〜可愛い、シンデレラの婚姻届だ!ガラスの靴とかぼちゃの馬車、シンデレラ城が書いてある〜」
「ネットで見つけたんだよ、ちゃんと役所にも出せる、証人も書いてもらったよ」
2人の証人は悠乃の伯父さんと克くんのお父様だった。
「緊張するけど書くね」
克くんが先に書き、悠乃に渡した。
「手汗ヤバイんだけど(笑)」
悠乃は名前を書いた。
「あっ、印鑑…」
「朱肉買いにいったから立木も小川も買っておいた」
「さすが克くん」
悠乃はぱちぱちと拍手をしてくれた。