祝福のあとで
第21章 約束の夜
仕事を切り上げようとした頃、
ひかりのスマートフォンが震えた。
――着いた。
短い一文。
それだけで、
誰からかは分かる。
建物を出ると、
ルミエールの前に、
見慣れた車が停まっていた。
直は、
エンジンを切ったまま、
ハンドルに手を置いて待っている。
仕事帰りのままの服装。
でも、
バーに立っているときより、
少しだけ力が抜けた顔。
今日は、
前からひかりの家に泊まる約束をしていた。
だから直は、
無理のない範囲で、
店を早めに切り上げている。
「お疲れさま」
窓を下ろして、そう言う。
「ありがとう。
待たせた?」
「全然」
即答。
その言い方が、
迎えに来た人のものだった。
助手席に乗ると、
ドアを閉める音が、
今日の仕事の区切りみたいに聞こえた。
「このあと、
そのまま行く?」
確認する声。
ひかりは頷く。
「うん。
今日は泊まるつもりだったから、
もう買い物も済ませてある」
直は、
それを聞いて小さく息を吐く。
「じゃあ、何作ってくれるか楽しみにしてる」
それだけ。
でも、
その一言で、
今夜が“約束された夜”だと分かった。
ひかりのスマートフォンが震えた。
――着いた。
短い一文。
それだけで、
誰からかは分かる。
建物を出ると、
ルミエールの前に、
見慣れた車が停まっていた。
直は、
エンジンを切ったまま、
ハンドルに手を置いて待っている。
仕事帰りのままの服装。
でも、
バーに立っているときより、
少しだけ力が抜けた顔。
今日は、
前からひかりの家に泊まる約束をしていた。
だから直は、
無理のない範囲で、
店を早めに切り上げている。
「お疲れさま」
窓を下ろして、そう言う。
「ありがとう。
待たせた?」
「全然」
即答。
その言い方が、
迎えに来た人のものだった。
助手席に乗ると、
ドアを閉める音が、
今日の仕事の区切りみたいに聞こえた。
「このあと、
そのまま行く?」
確認する声。
ひかりは頷く。
「うん。
今日は泊まるつもりだったから、
もう買い物も済ませてある」
直は、
それを聞いて小さく息を吐く。
「じゃあ、何作ってくれるか楽しみにしてる」
それだけ。
でも、
その一言で、
今夜が“約束された夜”だと分かった。