祝福のあとで
フェア当日の朝は、思っていたより静かだった。
スタッフの動きは慌ただしいのに、
ひかりの頭の中は、不思議と落ち着いている。
進行表を確認しながら、
ひかりは一つ、深く息を吸った。
今日は、
恋人としてではなく、
プランナーとして現場に立つ。
カウンターの向こうで、
直が静かに準備をしている。
視線が合って、
ほんの一瞬、頷かれただけ。
それだけなのに、
胸の奥が、わずかに熱を持つ。
——今日は、仕事だ。
ひかりは、
カウンター越しの横顔を見ながら思った。
仕事として一緒に立てていることが、
少しだけ、誇らしい。
それだけで、
今は十分だった。
「カクテル、二種類でいいですよね」
直が、確認するように言った。
「はい。色味が被らないようにしたくて」
「了解です。グラスは、こっち使います?」
ひかりは、
一瞬だけ迷ってから頷く。
「……それ、前に使ってましたよね」
「ええ。フェア向きだと思います」
説明は、それだけ。
でも、
その短いやり取りで、
場がすっと整うのが分かった。
スタッフの動きは慌ただしいのに、
ひかりの頭の中は、不思議と落ち着いている。
進行表を確認しながら、
ひかりは一つ、深く息を吸った。
今日は、
恋人としてではなく、
プランナーとして現場に立つ。
カウンターの向こうで、
直が静かに準備をしている。
視線が合って、
ほんの一瞬、頷かれただけ。
それだけなのに、
胸の奥が、わずかに熱を持つ。
——今日は、仕事だ。
ひかりは、
カウンター越しの横顔を見ながら思った。
仕事として一緒に立てていることが、
少しだけ、誇らしい。
それだけで、
今は十分だった。
「カクテル、二種類でいいですよね」
直が、確認するように言った。
「はい。色味が被らないようにしたくて」
「了解です。グラスは、こっち使います?」
ひかりは、
一瞬だけ迷ってから頷く。
「……それ、前に使ってましたよね」
「ええ。フェア向きだと思います」
説明は、それだけ。
でも、
その短いやり取りで、
場がすっと整うのが分かった。