Toxic・Romance
「……“展開が在り来りでつまらない。話も嘘くさい”……」



なんの変哲のない昼休み、心臓を撃たれた。

もちろん実際に銃で撃たれたわけではない。都心で発砲事案なんて、地上波すべてが速報を発表するレベルだ。しかしながら、私にとって確かな弾丸は、とても重たくて、鋭利で、平衡に保たれていた感情がパリンと崩れてしまった。

スマホを握りしめる手がふるえた。おそらく悪気は無い。しかし純粋な意見だからこそトゲが深い場所まで刺さった。

在り来り、というワードをスマホの辞書で調べた。

【もとからあって、珍しくないこと。ありふれたもの。世間にざらにあるもの】

銃で撃たれた上に、隕石まで落下した気分だった。

 だって、そう。ひとつの物語を完結させた今、次は何書こうかな♩と、妄想力を発揮させる時期だ。実は、物語の種を選び、膨らませていくこの時期が私はいちばん好きだったりする。

 順調に育てていた芽が、ぐしゃりと踏み潰された、そんな感覚。
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