Toxic・Romance
会議室を出ても、胸の奥がまだ変にざわついていた。
あの人の横顔が焼き付いて離れない。
伏せた睫毛の影。紙をめくる指先の静かな滑らかさ。
あの一瞬だけで空気の色を変えてしまう存在感。
絵になる人、というか……次回作として温めていた作品の場面情景とその人が、なぜかどうして、ぴたりと重なった。
──……書きたい。
衝動に似た感覚。その瞬間、自分で自分の気持ちにびっくりした。
(え、書くの?今のあの人を?)
自問自答する間にも、頭の中には次々と書きたいシーンが飛び込んでくる。こんな感覚、初めてだ。
スマホを取り出すと、指が勝手にメモアプリを開く。画面の上にぽつり、ぽつりと言葉が落ちる。
胸の奥にまだくすぶる電気みたいな余韻が、私の手を休ませなかった。
画面に文字を打ち込むたび、さっき見た横顔が少しずつキャラクターとして輪郭を帯びていく。
こんなふうに誰かを見たことって……あっただろうか。
混乱よりも、戸惑いよりも先に、言葉が走り出す。
まるで、続きを書けと言わんばかりに。
あの人の横顔が焼き付いて離れない。
伏せた睫毛の影。紙をめくる指先の静かな滑らかさ。
あの一瞬だけで空気の色を変えてしまう存在感。
絵になる人、というか……次回作として温めていた作品の場面情景とその人が、なぜかどうして、ぴたりと重なった。
──……書きたい。
衝動に似た感覚。その瞬間、自分で自分の気持ちにびっくりした。
(え、書くの?今のあの人を?)
自問自答する間にも、頭の中には次々と書きたいシーンが飛び込んでくる。こんな感覚、初めてだ。
スマホを取り出すと、指が勝手にメモアプリを開く。画面の上にぽつり、ぽつりと言葉が落ちる。
胸の奥にまだくすぶる電気みたいな余韻が、私の手を休ませなかった。
画面に文字を打ち込むたび、さっき見た横顔が少しずつキャラクターとして輪郭を帯びていく。
こんなふうに誰かを見たことって……あっただろうか。
混乱よりも、戸惑いよりも先に、言葉が走り出す。
まるで、続きを書けと言わんばかりに。