Toxic・Romance
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件名:月曜会議資料の差し替え
送信者:kaoru.katagiri@seiran-pr.co.jp
月島さん、
月曜朝イチの会議資料、昨日のデータに微修正が入った。 P12の競合比較表、最新の市場シェアに更新しておいて。 あと、注釈のフォントがズレてる。詰めが甘い。本日13時までに。
片桐
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「……は?」
開いた口が塞がらなかった。
「『詰めが甘い』……? どの口が言ってるのよ、この鬼畜眼鏡……!」(※眼鏡はかけているかしらないけれど脳内では完全に冷徹な眼鏡キャラに補正されている)
「(やってやる……!!)」
昨日アップした新作へのコメントの数々を心のガソリンにして、キーボードを叩いた。
そして現在、既に昼休み中である。しかし私は、企画のひとが"13時まで、時間厳守で"と付け足していたせいで昼休憩を押して資料を作り上げた。
「ん〜っ!」と背伸びをして、デスクに項垂れた。
先輩たちはすでに社食へ出ていて、オフィス内は散漫としている。
かと言って、資料を作りながら栄養バーとゼリー飲料を胃に落としたので、今更社食に行く気にもなれない。
突然、ぴろん、とスマホが通知を届けた。
" 面白い!続きが楽しみです♩ "
疲れた心に、誰かの言葉がじんわりと沁みる。仕事とは全く無関係の、趣味に対する言葉なのに今の私には何よりの言葉だ。