一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
――――
――……
「お、お疲れ様です。宇都です。
flying-Hiのお披露目配信の件で最終調整の確認なのですが――……」
夜も更けた薄暗いオフィス。
スピーカーにしたスマホをデスクに置いた宇都さんが、カタカタとPCのキーボードを叩いている。
flying-Hiのデビューは、無観客でのデビュー曲披露の動画配信。
その予定のはずだが――……
「――ああ、その件なんだけど、」
スマホから芯の通った強気そうな女性の声が響く。
SEIKOさんだ。
「ちょっと変更になるかもしれない。
なんなら、デビュー日も」
予想外の返答に、キーボードを打つ宇都さんの手が止まる。
この人は本当に勝手な人だ――なんて、頭の中で焦りと一緒に愚痴が出た。
「えっ!?どういうことですか!
ちゃんと説明してください……!」
スマホの中は落ち着き払って、無音。
それから再びSEIKOさんが話し出す。
「4月29日に開催される“スタプロライブ”、あるでしょ?
あれにあの子たちをねじ込めそうなの。
だから、そこでデビュー。話題性も抜群だし、最高の舞台じゃない?」
「そんな急に……諸々のスケジュールが変わりますよ……!?」
「それを調整するのがマネージャーのあなたの仕事でしょ。
じゃ、そのつもりで仕事よろしく」
ブツッと容赦なく通話が途絶える。
宇都さんが頭を抱えてキーボードの上に額をついた。