一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
#14 最高のスタートじゃん
スタプロオールスターライブ
通称【スタフェス】
俳優、アイドル、アーティストにモデルまで――
スタプロの人気タレントが一堂に集結する、年に一度の星麗プロダクションの一大イベント。
今年は東都ドームで2DAYSの開催を予定。
過去最大規模の動員を見込んでいる。
「――そのスタフェスで、flying-Hiはデビューします」
4月1日。
レッスンを始める前にSEIKOさんから粛々と告げられた。
「待ってください!俺たちのデビューは来月のはずじゃ……」
「変更。こんなビッグチャンス、逃す手はないでしょ」
動揺なんて一刀両断。
狼狽えていた背筋が、思わずしゃんと伸びた。
「確かに新設のME Tubeチャンネルでお披露目配信するより、よっぽど注目度高い」
大きなチャンスを前に、ユウキがごくりと喉を鳴らす。
意識的に吊り上げた口角は、強気を装っているかのようだ。
「でもいきなり東都ドームって。
……キャパ、何人だっけ?」
「5万人」
腰が引けてる苦笑いを隠しもしない蓮の問いに、間髪入れずに昊が答える。
平然として見えるけど、その目の奥には珍しく戸惑いが伺えた。
「5万んん!?
……それってどのくらい?東都ドーム何個分?」
「……おかしなこと言ってるって気づいてる?蓮」
昊が変な奴を見る目で蓮を見る。
「現実味がなさすぎて、まだ実感湧かないかも……」
「なにふわっとしたこと言ってんの。
いつか立つ場所が今になっただけでしょ」
そう言って私の頭をこづいたユウキも、降ろした手がプレッシャーで震えそうになるのを握り込んで隠していた。
ざわつく私達4人の真ん中で、南はずっと惚けた顔をしている。
突然到来した事態を頭で整理している、そんな固まり方だ。