一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
「あー……うちは、お父さんはいなくて……
お母さんは、来ないかな」
胸が嫌な鼓動を刻む。
だから、余計なことまで言ってしまった。
「あんまり俺に興味ないんだよね」
私を見ていたユウキの目が、僅かに見開く。
何か言いかけた唇は薄く開いて、閉じて。
ユウキは返す言葉を考え直すかのように一瞬だけ俯いてから、前を向いて肩についた桜の花びらを払った。
「ふぅん。
ま、兄貴が美嶋日向だもんね。手がかかる兄弟のせいでほっとかれるパターン、割とあるあるじゃない?」
……よくあることなの?
ユウキがあまりにも何でもないことのように言うから、なんだかそんな気がしてくる。
記憶の中のお母さんはいつも後ろ姿か横顔。
日向、日向とずっと言っているような人。
よくあることでは、多分ないな。
(……でもきっと、私のせいじゃないって言ってくれたんだよね)
眩しすぎる景色がちょっとだけ優しく見えた時、不意に立ち止まったユウキにくん、と腕を引かれた。