一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
★
宇都さんの車に乗り込んだ瞬間、制服についた桜の花びらが膝に落ちた。
さっきまで聞こえていた生徒たちの笑い声は、もうない。
車内に流れるのは、次の仕事について確認する宇都さんの声。
「到着後すぐAスタジオです。後のスケジュールもあるので、秒で来いとSEIKOさんに言われてます」
「だから宇都さん、必死な顔してるんだ……」
「一本も道間違えられないからね」
軽口を返したユウキが、隣で小さく息を吐く。
スマホ画面には、さっき撮った入学式の写真。
だけどその下には、スタフェス関連の通知が何件も並んでいた。
――――
――……
車が道路脇で止まるなり、車が止まるなり、私たちは飛び出すように車を降りた。
Aスタジオのドアを開けると、すでに熱気が満ちている。
今にも走り出したくなるような、明るく爽快なサウンドと、それに乗っかるそれぞれの特徴が混じる3人の歌声。
鏡面の前で厳しい顔で立っているSEIKOさんとRyoさん。
冴さんは穏やかに微笑みながらも、声の重なりに耳を澄ませている。