一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
余計な音を立てないように中に入った私たちに背を向けて踊る南・蓮・昊の3人の姿には、迸る熱と必死さを感じる。
けれど、鏡面に映る汗が弾ける顔は、昊は凪のような無表情、南と蓮はとびっきりの笑顔だった。
「おっ来たね!本日の主役たち!」
鏡に映った私とユウキの姿を見つけて、曲の途中なのに南がピタッと動きを止めて振り返る。
「勝手に止まんな!」というRyoさんの怒号が飛ぶのも気にせず、南は軽快にこちらに手を振ってきた。
「制服似合うじゃーん。
あっ俺のことは学校では“蓮先輩”って呼んでいいからね〜」
Tシャツの裾をバタつかせながら、蓮がゆるゆると近づいてくる。自分を指さしてへらりと笑った。
実は3人はすでに緑陵に通学している。ちなみに、蓮は2年生、昊と南は3年生だ。
「蓮せんぱーい、明日からスタフェスまで学校行く暇ないみたいなんですけど」
蓮の冗談をさらりと受け流して、ユウキはさっさと部屋の奥に入って荷物を下ろす。
昨日から置きっぱなしにしておいたレッスンバッグの中からTシャツを取り出すと、人目も憚らず制服を脱ぎ捨て始めた。
「わっ!ちょっと、いきなり着替えないでよっ」
「きも。なんで照れてんの」
両手で顔を覆った私に、Tシャツを被り終えたユウキは冷ややかな視線を送る。
「……中学生女子みたいな反応」
昊のぼやきに私と宇都さんはドキーンと体を跳ねさせる。
「ピュア男子だからな!千景は」と南がすかさず変換して、強引に誤魔化してくれた。