一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―

余計な音を立てないように中に入った私たちに背を向けて踊る南・蓮・昊の3人の姿には、迸る熱と必死さを感じる。

けれど、鏡面に映る汗が弾ける顔は、昊は凪のような無表情、南と蓮はとびっきりの笑顔だった。


「おっ来たね!本日の主役たち!」


鏡に映った私とユウキの姿を見つけて、曲の途中なのに南がピタッと動きを止めて振り返る。

「勝手に止まんな!」というRyoさんの怒号が飛ぶのも気にせず、南は軽快にこちらに手を振ってきた。


「制服似合うじゃーん。
あっ俺のことは学校では“蓮先輩”って呼んでいいからね〜」

Tシャツの裾をバタつかせながら、蓮がゆるゆると近づいてくる。自分を指さしてへらりと笑った。

実は3人はすでに緑陵に通学している。ちなみに、蓮は2年生、昊と南は3年生だ。


「蓮せんぱーい、明日からスタフェスまで学校行く暇ないみたいなんですけど」


蓮の冗談をさらりと受け流して、ユウキはさっさと部屋の奥に入って荷物を下ろす。

昨日から置きっぱなしにしておいたレッスンバッグの中からTシャツを取り出すと、人目も憚らず制服を脱ぎ捨て始めた。


「わっ!ちょっと、いきなり着替えないでよっ」

「きも。なんで照れてんの」

両手で顔を覆った私に、Tシャツを被り終えたユウキは冷ややかな視線を送る。


「……中学生女子みたいな反応」

昊のぼやきに私と宇都さんはドキーンと体を跳ねさせる。

「ピュア男子だからな!千景は」と南がすかさず変換して、強引に誤魔化してくれた。
< 117 / 180 >

この作品をシェア

pagetop