一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―

焦れば焦るほど上手く笑えている感覚がなくなる。
絶えず前進し続ける晴れやかなサウンドが、遠のいていく。
前に差し出そうとした手がぎこちない。

無意識に下がる目線は人の目を避けて、仲間からのアイコンタクトすら受け取らなくなった。


「flying-Hi――」


グループ名とタイトルにかかる歌詞をなぞって、曲が終わる。
ほんの数秒のアウトロの間にも、天高く手を挙げ空を見上げるポージングを保ちながら嫌な鼓動が止まらない。


イヤモニに飛んだ「ここで切ります」の指示で腕を下ろした後も、得体の知れない恐怖心に緊張が途切れなかった。


「全員固い。動き小さくなってるの自覚してるよね?
一旦深呼吸して肩の力抜いて――」


ドーム中央から拡声器で飛んでくるSEIKOさんのピリついた声も、丁寧に指示をくれるスタッフさんの声も、なに一つ頭に入ってこない。


「千景?」

ふとこっちを見た南が、顔を上げられなくなった私の様子に気づいて小声で名前を呼ぶ。

それすらも、耳に届くことはなかった。


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