一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―



AM 9:00

リハ終了後、開場まで長い待機時間が続く。

時間を追うごとに次々に出演者が到着して、舞台裏から控え室に至るまで裏側がどんどん慌ただしくなってきた。

――数組のメンズアイドルグループで括られた合同控え室。

私たちは、入り口に近い末席で小さく固まって過ごしている。


「今、そこの廊下で女優の早瀬莉乃見ちゃったんだけど!
エッグいほど可愛かったぁ」

トイレから帰ってきた蓮が、興奮気味に駆け込んでくる。
リハの時は固くなっていた気がするのに、もういつもの背骨がなさそうな雰囲気に戻っている。


「そりゃいるでしょ。出演者なんだから」

宇都さんにもらったリハ映像を映すスマホから目も離さず、ユウキの反応は冷ややか。
イメージ通りに動けてない自分に、チッと舌打ちした。

「……誰?」

昊は読み耽っていた本から顔は上げたが、怪訝な顔。

「誰はないだろー!今をときめくCM女王だぞ?」

南は豪快に笑い飛ばしながら、勢いよく昊の肩に腕を回す。
昊は心底迷惑そうな顔をしてた。

「確か美嶋日向ともドラマで共演してたよねぇ。うらやま。
ね?千景ちゃん……」

そこまで軽快だった蓮の声が、不自然に途切れる。


「――あ、……ごめん。なんだっけ?」


気づけば会話が変わっていた。

ずいぶん長くぼーっとしていたせいで、話題が掴めない。
反応が数秒遅れてしまった。


心ここに在らず、そんな顔をしている私を見たみんなの表情が止まった。

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