一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
南は私の前に回り込むと、屈んで私の顔を覗き込む。
南の目から心配が滲む、優しくてあったかい温度を感じた。
「千景は何を怖がってんの」
慎重に心に触れようとする、低く落ちたトーンの声。
じわりと不安が溶け出して、重く閉ざしていた唇がゆっくりと開いた。
「……見られるのが、……っ
見られて、何もない奴って思われるのが、怖い」
私は特別な存在ではないから。
誰かの目に映ったとしても、きっとすぐに消えてしまう。
それなら最初から影に隠れて、誰の目にも映らない方がいいと思ってた。
Tシャツの裾を握り込んで、胸の痛みを耐える。
南はただ黙って私の弱音を受け止めてた。
「今までがずっと楽しくて忘れてたんだけどね?
初めてステージに立って、見られてるって思った時思い出した。
アイドルは、生まれ持っての輝きを持つ人だけがなれる存在だってこと――……
……私には、それがないってこと」
唖然。目の前の南はそんな顔をしている。
本番前のもう引き返せない時に、仲間に言うようなことじゃなかった。
脳裏にユウキ、昊、蓮……今までアイドルの私に関わってくれた人の顔が過って、申し訳ない気持ちになる。
せっかく一緒にやろうって言ってくれたのに、言ったのに。
こんな私じゃ、みんなの隣に立てない――……
「わかってねーなぁ、千景」
不意に、南が私の頬を両手で掬い上げる。
上を向かされて見上げた空は青い。
風にそよぐホワイトブロンドの髪が透かす南の微笑みは、キラキラと輝いて見えた。
「星の輝きは、創り出すものなんだよ」
頬を包む熱い手のひらが、ゆっくりと剥がれていく。
それでも、私の目は南に射止められたままだった。