一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
動悸は止まらないまま。
だけど、足の震えはちゃんと止まった。
「――うん。そうだね」
私も南の手を握り返す。
固くなってた唇が、ほんの少しだけ上向いた。
「なに2人だけみたいな空気出してんの。
“5人”で、デビューするんだけど!」
和んだ空気に割り込んで、ユウキが私のもう片方の手を握る。
照れてるのか、その頬には赤みが差している。
ジト、と長いまつ毛が揺れる半目がこっちを見た。
「本番はちゃんと目、合わせてよね。千景」
ユウキと掌が隙間なくくっつく。
乾いていた喉の奥が熱くなる。
「うん」と頷こうとした声が、ちょっとだけ詰まった。
「南ぃ、俺のことも励ましてよ〜」
「わはっ、こっちの手貸してやろーか?」
へろへろになってる蓮が、ドンッと南の背中に抱きつく。
ずっと蓮に絡まれていた昊が、清々したとでも言いたげに息を吐いた。
曲が終わって、歓声の中にステージ上の光が消える。
「30秒後、映像出ます!
その後すぐ出るので準備してください!」
――ついに、“俺”達のステージが始まる。