一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―

動悸は止まらないまま。
だけど、足の震えはちゃんと止まった。


「――うん。そうだね」


私も南の手を握り返す。
固くなってた唇が、ほんの少しだけ上向いた。

「なに2人だけみたいな空気出してんの。
“5人”で、デビューするんだけど!」

和んだ空気に割り込んで、ユウキが私のもう片方の手を握る。

照れてるのか、その頬には赤みが差している。
ジト、と長いまつ毛が揺れる半目がこっちを見た。

「本番はちゃんと目、合わせてよね。千景」

ユウキと掌が隙間なくくっつく。

乾いていた喉の奥が熱くなる。
「うん」と頷こうとした声が、ちょっとだけ詰まった。

「南ぃ、俺のことも励ましてよ〜」

「わはっ、こっちの手貸してやろーか?」

へろへろになってる蓮が、ドンッと南の背中に抱きつく。
ずっと蓮に絡まれていた昊が、清々したとでも言いたげに息を吐いた。


曲が終わって、歓声の中にステージ上の光が消える。

「30秒後、映像出ます!
その後すぐ出るので準備してください!」


――ついに、“俺”達のステージが始まる。

< 139 / 180 >

この作品をシェア

pagetop