一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
長すぎる暗闇にざわつきだす客席。
LEDスクリーンに、5枚の白い羽のエフェクトが舞い上がる。
“NEXT STAGE”
天に羽が消えた時、音もなく突然現れるシンプルな白文字。
“New Boys lDOL Group Debut.
――Their name is “flying-Hi”. ”
再び訪れる暗闇。
会場が一気にどよめく。
「曲入り10秒前。10 9 8 7……」
舞台袖とステージの境界線を踏み越える一歩が、重い。
だけどその意味合いは、さっきとはほんの少し違う。
「……3 2 1……」
5人分の走る足音がぴたりと止む。
背中越しに、5万人分の視線を背負っているみたい。
暗闇に小さく光る“俺”のポジションに立った時――
顔を、ちゃんと上げた。
「0」
バンッと何本ものスポットライトが暗闇を切り裂いて、南の後ろ姿を捉える。
天空席から見ても映える、背筋の伸びた長身。
頭の先からつま先まで真っ白な姿は、強い光を反射してキラキラと輝いている。
しんっ……と静まり返る客席。
南が、もったいぶって振り向いた。