一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
作った余裕綽々の笑顔を湛える南の目が、目の前に広がる光景を見てキラリと光る。
「……Are you ready?」
声のテンションがいつもより明らかに高い。
「We are “flying-Hi”.」
大型モニターが南の顔を映し出す。
モデルのように綺麗に整った顔立ちなのに、人間味のある熱の高い笑顔。
高揚を抑えきれず、ふっと細くなった瞳に「ヒッ」と悲鳴を飲み込む声が会場のそこかしこから聞こえた。
目が焼けそうなライト。
一瞬、客席が真っ白に飛んだ。
と、同時に全員の後ろ姿がシルエットのように現れる。
流れ出すシンセサイザーの爽やかな疾走。
南が突然、天高く人差し指を掲げて大きく息を吸い込んだ。
「お前らァ―――――!飛ぶぞ――――!!」
ビリビリと会場を振動させるほどよく通る大声。
一瞬、ドームが止まった。
次の瞬間。
南が後ろを振り向いて目で合図してきた。
――こんなの、聞いてない!
一瞬、全員の呼吸が止まる。
けれど南は、してやったりみたいに笑っている。
「っ、」
なのに、その目配せだけで身体が動いて、グッと膝を曲げる。
5人の白いシルエットが、同時に高く跳ねた。
鳴りっぱなしの鼓動が、緊張から驚きに置き換わる。
――ダン!
地に足をついた瞬間、深く息を吸い込めるようになった気がする。
まだ後ろ向きのみんなの表情も、ギリギリだった緊張が消えている。
“無茶するわぁ……”そんな風に蓮の唇が動いた。