一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
それにしても――浮いている。
大きなレジ袋を揺らしながら歩く蓮を、じっと観察する。
通りを挟むように並ぶのは、割に古めな住宅ばかり。
消えかけの白線に、聞こえる音はカラスの鳴き声くらい。
のどかな街の通り。
そこにくすみブルーのTシャツとワイドカーゴパンツをラフに着こなす、モデル体型の蓮は明らかにミスマッチ。
もし仮に蓮に彼女がいたとして、
その密会を誰かに撮られたとして。
背景がこれだったら、合成を疑うレベルだ。
足音を立てないように慎重に歩きながら、見失いようのない蓮の後ろ姿を逃さないように凝視する。
すると、蓮の足が左手に見えるアパートの方に向いた。
蓮はそのまま敷地へと入っていく。
カンカンカン、と鉄製の階段を登る足音がした。
ここか!
現場を抑えるために、急いでアパートの前に走る。
目の前の電柱に身を寄せて、こっそりと顔を覗かせた。