一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
2階に蓮の後ろ姿を確認。
5部屋並ぶうちの、真ん中ドアに立ち止まる。
鍵を開けている音がした。
合鍵!?同棲!?
私たち、まだ高校生だよ……?
ドッと急に心音が強くなる。
電柱に添えた手に、汗が滲んだ。
蓮は鍵をポケットに入れ、ドアノブに手をかける。
ガチャリと音を立てて、ドアが徐々に開いていく。
どうしよう、すっごい大人なお姉さんが出てきたら。
でも、蓮ならありえそうで怖い。
その時、私はなんて言えばいい?
「蓮を奪わないで!」……とか?
いや待って。それだとただの修羅場じゃん。
“flying-Hiから”ってちゃんとつけないと語弊が……
私のパニックがあらぬ方向に舵を切った時、ついにドアが全開になった。
その瞬間――
「おかえりなさぁーい!」
無邪気で甲高い声が住宅街に響いた。
アパートの廊下にぴょこんと飛び出してきたのは、幼稚園児か小学生くらいの2人の女の子。
同じ背丈。同じ高い声。
色素薄めの長い茶色の髪をゆらゆらと揺らして、蓮の周りをぴょこぴょこ飛び回っている。