一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
嵐が去った後みたい。
通りは怖いくらい静かになった。
バタン、と遅れてドアが閉まる音。
あの子達を見送る蓮の後ろ姿に、胸がいやに緊張している。
「…………“お兄ちゃん”?」
じゃあ、あの子達は蓮の妹で、
てことはここは、蓮の実家……って、こと?
脳みそが必死で状況を飲み込もうとしている。
少しして蓮が、唐突にアパートの手すりに勢いよく項垂れた。
「っだぁー、もう。バレた!
なぁんで千景ちゃん、こんなとこにいんの」
ぐしゃりと前髪をかきあげながら、蓮は片眉を下げて溜め息を吐く。
むぅ、と拗ねた顔が、さっきの子達にそっくりだった。
なにか言い訳……、だめだ。頭真っ白で何も出てこない。
「えっ?えー、と……偶然?」
えへ、と後頭部を掻きながら誤魔化し笑い。
蓮の尖った唇が、更に突き出た。
「なワケないでしょーが。誤魔化し下手か。
もう連行。ついてきなー」
そう言って、蓮が階段を降りてくる。
言い逃れできない私は、黙って蓮についていった。