一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―
音程は揺れている。
ブレスも浅い。
確かに歌だけで言うなら、今のはナシ。
だけど――
ちょっと気まずそうに恥じらう顔。
迷う指先。
それでも、南から外れない視線。
ちゃんと恋に似た感情が乗ってる、生々しい歌い方。
耳より先に目が持っていかれる。
その瞬間だけ、千景は“歌っている”というより、隠しきれない感情を漏らしていた。
千景の視線の先を追って、ユウキの目が細くなる。
完璧なアイドルスマイルが、崩れた。
「ねぇちょっと 近すぎない?」
崩れそうな余裕をギリギリ保とうとした、吐き捨てるような歌い方。
「ストーップ!」
我慢しきれなくなった冴が、たまらず声を上げた。